競技ラリーとは異なる緩めのラリーイベント。ありそうでなかったいいバランスのイベントとなり、2024年度は670名もの参加となりました。
ワタシは今年初参加ですが、参加して感じたことを参考までにまとめておきます。
1. どんなバイクが参加しているのか
いろんなメーカー、排気量が参加されていました。
エントリーリストから主要なところをカウントしたところ、
CRF250 : 105台 (RallyもLも含む)
セロー : 99台 (250,225含む)
BMW GS : 62台 (R1250,R1300,R100,その他排気量も含む)
テネレ700 : 27台
WR250R : 23台
その他KTMも多かったですね。
これで半分くらいなので、如何にバリエーションにとんだ車種で参加されているのかがわかります。
会場では赤いCRFがあちこちに。250で唯一新車が買えるだけのことはあります。
セローは一見セローに見えないような魔仕様も多い。
BMW GSはまさに軍団と言えるくらい存在感があり、最新の1300も多かったです。
テネレは30台弱なのですが、林道での遭遇率は高かった。
ワタシのいた後半組は比較的普通の国産車が多い感じで、ウラルやCB1300など走っているところを見てみたいバイクは前半組だったようです。結局林道でお会いすることは出来ずじまい。
2. 出走に必要なスキル
主催者によると「徹底的な初心者目線」で設計しているとのこと。
これ誤解されそうですが、
「免許取り立てです。セロー買ってオンロード走り始めました。林道走ったことないけど走ってみたいです!」
という方向けかというと、そうではありません。どちらかというと、
「それなりにオンロードはきっちり走れます。でも林道は走ったことないです。」
つまり基本のバイクスキルはある。だけどオフ走行のスキルはない人。くらいじゃないと辛いかと。本当の「林道は初心者」向きでしょう。
またこのイベントのオフ走行距離は、一般の人が一度に走る距離よりもかなり長め。
実際のところ林道走行って思ったより疲労がたまります。その上、コケるのも普通なので、何度もコケると体力も消費し、心も身体も折れてきます。
なのでバイクの基本スキルが低いうえに、コケることに耐性がない状態で体力が落ちたら...もう目も当てられません。
「体力と走行技術が必要なのはスポーツラリー」とアドベンチャーラリーとは区別されていますが、これはオフ車乗りの常識範囲での定義で、一般オン乗り基準ではちょっと厳しめで判断した方がいいですね。
それでもこのイベントは、途中でトラブルがあってもピックアップ体制も完備してます。たとえ途中リタイヤしてもそれもラリーよ。という広い心が持てれば試しに参加もいいのではないでしょうか。
3. 走行距離
神南山ルートは、林道の本数は少ないけど1本が長く、幹線道路でつなぐ設定。
出石寺ルートは、短めの林道が何本もあり、舗装林道でつなぐ設定。
それぞれが80kmほどで合計160kmといったところ。
得手不得手はあると思いますが、疲れ具合としては同じになるような設定ですね。
テネレ700で走ると、舗装林道で気を使うことが多いので、出石寺ルートの方がちょい辛いくらい。
今回は現地への行き帰り180km×2も合わせて走ったので、一日540kmほどの走行でした。ワタシの普段の日帰り林道探索だと500〜700km走って、林道を10数本走ります。なので同じくらいかちょっと楽なくらいでした。
4. スマホとジオグラフィカ関係
このイベントの最大のポイントはスマホアプリでのルート案内。そのため走行中は常時表示できるようにしないと、ナビゲーションの意味がありません。
iPhoneはすぐにロックしない設定ができるようですが、Androidは機種によってはロック時間を延ばす程度しかできない。それでも10分程度までは延ばせるので、走行中に一瞬でも画面を触ってやれば大丈夫でした。でも林道走行中にそんなことするのはできれば避けたいよね。
そして直射日光対策。普段からスマホをバイクにつけて走る方は対処できているのでしょうが、暫定でタンクバッグに入れた私は日向では画面が見えない罠に落ちました。
これから夏になって放熱も考えるならば、外出しマウントがいいと思われます。
ジオグラフィカというアプリはちょっと癖がありますね。
表示を自分中心で自動スクロールするモードにすると、たとえ自車を示す矢印が見えなくても、大体画面の真ん中にいることになります。するとルート上のどこに自分がいるかすぐわかります。
またルートを外れても表示は適切にしてくれるので、すぐに気が付いてリカバリーできました。
難点は進んでいる方向表示がいい加減なこと。常にノースアップ表示にして進むと、終始自車を示す矢印の向きが勝手な方向を向いており、瞬間的に走行方向が地図上でわかりません。そのためちょっと凝視する必要があって、走りながらだとちと危ない。この辺りは一緒につけていたGarminは俊逸で、ちょっと動いただけで正しい方向に矢印が向きます。
ヘディングアップ表示にするとこの問題は解決出来ていたのかもしれません。
5. 特に準備するものはあるの?
お昼の食事は準備してもらえますし、パンク等のトラブル対応が出来ない人でも、オフィシャルが拾ってくれるのでお気軽に参加可能です。
あとは今年のように気温が高くなる時は、水分補給が必要になります。お昼にペットボトル1本は支給されますが、追加は必須。私はハイドレーションバッグ3Lを背負って、ほぼ飲み切るくらいでした。
神南山ルートは途中で幹線道路に出るので、自販機も見かけましたが、出石寺ルートはほぼ山の中なので、自販機を見かけなかった気がします。事前準備をお勧めします。
6. どんなバイクで参加する?
普通に楽に走るなら、250のオフ車がいいでしょう。軽いし、今回のように路面が悪いところが多くても対処しやすいです。
ビッグオフでも全然問題なく走れますが、林道初心者がビッグオフでこのイベントにて林道デビューというのはちょっと辛いかな。
意外と多いのが、グロムやハンターカブの125cc。ガレは苦労されていましたが、足つきもいいし軽快に走られていましたよ。ただトランポ無しで現地へ行くのがしんどいよね。
そしてオンロードバイク。ちょこちょこオンロードバイクでの参加者を見かけます。代表格はCB1300とか。こんなバイクで完走を狙っている人は、それなりのスキルの持ち主です。CB1300の方も、「特別な訓練を受けています」とネタ的に言われていますね。実際のところジムカーナ競技をされていて、かなりの乗り手のようですよ。
またある程度の装備準備をされている方も。こちらはお昼にお会いしたFZ1。
そこまでバイクを仕上げる&扱い切れる自信がないのであれば、せめてオフ車をレンタルして参加されることをお勧めします。普通の人には無理ですww
悩ましいのがV-Stromなどのオンロードアドベンチャー系。
走れないことはないですがそれなりに気を使いそうですね。
7. 結局おススメイベントなの?
間違いなくオフ走行に興味がある方にはお勧めします。
時間内にゴールするだけが楽しみ方じゃないと考えて、条件的に厳しい方でも、グループ参加でサポートしあいながら走る。のもいい経験になります。
そしてそれなりのベテランの方で、いつも一人で走っている方、自分で決めたルートを走る人にとっては、主催者側が決めたルートをトレースしながら、「ほうほう、これをこうつなぐのか。」なんて思いを巡らすのも楽しい。
そしていつもショート林道のみ走っている方にとっても、長い林道を走ることでいろんな発見があると思います。自分なりの基準の確からしさも確認できます。
大体こんな感じです。
来年はもう一度アドベンチャーラリー参加にするか、スポーツラリー参加にするか考えて決めます。