たらのブログ

備後エリアでオン、オフバイクに乗っています

暖かい2024年の幕開けです!

MOTOZタイヤってどうよ?

最近オフロードライダー、特にビッグオフライダーには気になるMOTOZタイヤ。

大手メーカーでは無いこのマイナーメーカーがぐんぐん評価を上げてます。

 

そもそもMOTOZと言うメーカーは、

オーストラリアのダート愛好家が、耐摩耗性とオフ性能を両立させたタイヤが無い!と立ち上がったのがきっかけ。

実はワタシにもオーストラリアでKTMに乗っている昔の仕事仲間がいます。

彼らは週末にはピックアップトラックにバイクを積んで、デザートランやバックカントリーロードを楽しむのが当たり前だそうです。

こういった環境にある人達が企画したタイヤ。

 

設計をオーストラリアで行い、製造はタイの工場で委託製作する形で製品化されたもの。実はタイは天然ゴムの産地に近く、ゴム製品の工場が昔から数多くあります。自動車産業も古くから進出した関係で、こういった自動車部品の製造についても歴史があるのです。

 

詳しくはこちらを↓

motoz.com.au

このタイヤを日本ではビバーク大阪さんが取り扱っており、ワタシもテネレ700の次期林道用タイヤとして狙っていました。

 

幅広いラインアップがありますが、日本国内に入ってきており、テネレ700で使えそうなモノとして、大きく4種類かな。

TRACTIONATOR GPS

TRACTIONATOR ADVENTURE

TRACTIONATOR RALLZ

TRACTIONATOR DESERT

上から順にオン向き→オフ向きとなります。

今回はややオフよりと言うことで、RALLZを前後に履きました。

 

RALLZの特徴は、

・全天候でのオフロードトラクションパフォーマンス

・オンロードでもそれなり(reasonable)のパフォーマンス。

シリカ配合で低温特性も良し。

・セルフクリーニング機能と、セルフシャープニング機能有り。

と言うところで、最新の技術トレンドをつかんでいる様子。

 

今回このRALLZを履いたテネレ700で、Totalで300kmほど、高速から一般道の舗装路と、荒れ&ウエット気味の林道1本走った結果、分かったことをまとめてみます。

 

まずはオンロード。

取り回しは明らかに重くなります。タイヤのブロックを超えるときに、その都度エイッと力が必要な感じ。これは転動抵抗が大きそう。

でも実際に高速で瞬間燃費をチェックしてみると、OEMタイヤとほぼ同じ。

感覚的には燃費悪そうなのですが、実態はあまり差が無いかも。

 

直進でのブレーキングは全く問題なし。バンク中のブレーキングはやや腰砕けになる感じで、アンダーが強くなりますが、通常のエンデューロタイヤレベルです。

小さなゴムブロックの上に乗っかっている様な浮遊感がたまに出てきますが、これはフロントの荷重抜けを教えてくれているのかもしれません。

 

ロードノイズ(パターンノイズ)は結構大きめ。

25~29km/hでフロント起因の最初のピーク出現。これはかなり大きい音で、びっくりする人がいるかも。その倍の60km/hくらいになると音はだんだん気にならなくなりますが、ハンドルへの微小振動は出てきます。

高速道路の巡航も慣れるまでは振動が気になるでしょう。

 

リヤについては、オンロードでは特筆すべき点はありません。

意外なほど違和感が無く普通のフィーリングです。

 

そしてオフロード。

今回空気圧はあえて下げずに純正の2.3/2.5のまま。

おとなしめの走りでしたが、前も後ろも横滑りは全く起きませんでした。

前後方向もABSオフの状態でフロントはブレーキングでも滑らず、リヤはアクセルオンでスリップすることも無し。

おかげでヌタ、川と化したガレ岩場、濡れたコンクリ+落ち葉でも再発進に気を遣うこともありませんでした。

 

使いやすいエンデューロタイヤのように、ガレの小岩でフロントがはじかれることもなく、ハンドルが向いた方へ進みます。

空気圧が高いと上下方向の反力は大きめに感じますが、変な左右力が出ません。

これは安心感が上がります。

 

次は一番気になる耐摩耗性。

300Km走った状態がこれ。

フロントはまだ髭が残るくらい。

 

りやは角も全くダメージ無い。

耐摩耗性を自慢するだけのことはありそうです。

これなら四国へ4回は楽に行けそう。WR+MT21以上かも。

 

あと気がついたことを2つ。

・タイヤ温度が上がりやすい

前後ともにタイヤの温度が上がりやすくなっている様子。オンタイヤだと良くあるのですが、オフタイヤでここまで全体的に暖まるタイヤは初めてです。トレッド面、サイドウオールともにそれなりに暖まるので、これがゴム局部への応力集中を避けたり、低温特性の良さにつながっているのでしょう。

 

・泥が付かない?

洗車して気がついたのですが、タイヤからの泥離れがすごくいいです。

ブロックパターンによる走行中のセルフクリーニングはもちろん、ゴム材料そのものも泥が付きにくいモノなのかもしれません。

 

OEMのPirelli SCORPION RALLY STRもかなり万能感がありましたが、オンロードでの素晴らしい特性に比べて、オフでの絶対的グリップはちょっとだけ不満有りでした。

その特性をオンとオフを入れ替えたような感じがRALLZと言えるかも。

 

ほぼオフを走らない人が、たまにオフも走るかもしれない。そのためにオフで安心できるタイヤにしたい。というニーズにはこのタイヤはオススメしません。オンロードでの快適性は思った以上にスポイルされます。このようにツーリングマシンとしてビッグオフを使いたい方には、この快適性を失うことがビッグオフ嫌いにつながる可能性有り。

 

それでもオフっぽいタイヤを履きたい!という嗜好もあるでしょう。

そのときはフロントをADVENTURE、リヤをRALLZという組み合わせにする手もありそう。(実力は未確認です)

 

一方で、林道を走るためにリエゾンを走るんだ!と言う人には、一度試して頂く価値があります。まず裏切られないと思います。

こういった人は、オフタイヤなんて5,000km持つわけ無いじゃん!という考えでしょうから、耐摩耗性の面でも納得出来るでしょう。

 

ということで、今シーズン後半はRALLZで走り回ってみます。