たらのブログ

備後エリアでオン、オフバイクに乗っています

暖かい2024年の幕開けです!

R1にR7のラジアルマスターを組み込んでみる。

昨年の今頃話題となった、YZF-R7の純正ラジアルマスター。

何せブレンボマークが付いているのに、純ブレンボ比半額で手に入ると言うことから、車体よりも前に部品が欠品するという騒ぎまで起きましたね。

このラジアルマスターはピストンサイズがφ14mmなので、一般的なネイキッド系の主流サイズ。これを使いたい人のほとんどは、ノーマル横押しマスターをラジアルに換えるためだと思います。

ワタシはこいつをφ16mmセミラジアルを持つR1に入れることとしました。

通常であればマスターシリンダーサイズを下げることは、

ブレーキの効きが悪くなる。サイズダウン = グレードダウン。

と言うマイナスイメージでしょう。こんなことを1L SSでやるなんてみたいな。

でもワタシの目的はまさにそこ。

 

サーキットでも一本指でブレーキをかけるワタシにとっては、純正φ16mmのカチッとしたフィーリング+ショートレバーだと、短いストロークでレバー比の悪いところで握るため、かなり指の負担が大きいのです。そうで無くても短い指で、酷いばね指故に、30分走ると後半は指が動かなくなるくらい疲労します。

そこで対策を考えていました。

 

まず、小さい力で同じ圧力を出すためには次の式から、

P (圧力) = F (握る力) / A (受圧面積=ピストンサイズ半径の二乗×π)

Aを小さくすれば、小さいFで同じPが得られることが分かります。

つまりピストンサイズを下げることが有効。

※厳密には力はレバー比なども絡むのですが、そこはいったん固定として。

 

で、ピストンサイズを下げる弊害は何か?というと、液量の問題です。

まずキャリパー側のピストン系は変わっていないので、同じ量パッドを動かすには、同じ量の液を送る必要がありますよね。

マスターシリンダーサイズが小さくなった=面積が小さくなったので、同じ量=体積を送り込むには、よりストロークさせないとダメと言うことになります。この液量が足りないと、レバーストローク一杯動かしても、パッドを押し切れなくなります。

なので、キャリパーを変えないなら常識的にはマスターのシリンダーサイズは、1サイズ小さくするくらいが限界じゃ無いでしょうか。今回のφ16→φ14の様に。

 

要は、力でコントロール → レバーストロークでコントロール するようにしたかったと言うことですね。

 

早速交換作業です。

R7のフロントマスターはこの単位で手に入ります。

レバー交換とか考えず、まるごと交換ならあまり悩まずに行けるでしょう。でもワタシはレバーを交換したかったのでちょっと罠にはまりました。

 

シリンダー周りを比較してみます。

左がR7のラジアルマスター+Activeのレバーホルダー+ブレンボのショートレバー。

右がこれまで使っていたR1セミラジアルマスター+Zetaのレバー。

レバーのピポット位置もちがいますし、プッシュロッドの位置も違います。

セミラジアルはレバー比変化が大きいみたい。

 

そして手持ちのレバーを使おうとして罠にはまったのがこのプッシュロッド。

ブレンボがよく使う、タイコにねじ込み+カシメ固定のタイプ。

これはホルダーがコの字のオープンタイプじゃ無いと使えません。

 

でも手持ちのホルダーは、丸囲みのクローズドタイプ。

プッシュロッドだけを入手するのが出来そうに無かったので、ワイズギヤのレバーを手配して切り抜けます。

これで組み込み準備が完了。

ちなみにワイズギヤのレバーは、ActiveのレバーのOEMみたいでしたよ。

 

タンクとシリンダーを結ぶホースをR1の整形ホースに換えてやれば、あとはぽん付けと言っていいでしょう。

ハンドルを切っても干渉しません。

そもそも最近のSSは、ラジポンなどに換えることも前提の寸法設定になっていますから、綺麗に収まります。

 

バンジョーの回り止めはR1R7で位置が違うため使えなくなりますが、フォーク側でホースを固定しておいてやれば、緩み懸念も無くなります。

 

エア抜きして早速試走。

タッチが優しくなりました。そしてR1には液圧のモニターが付いていますが、狙ったメモリ位置の油圧をキープすることも自由自在に。握り側も戻し側もかなりコントロール幅が上がります。

街中レベルでは全く問題なしのいいことばかり。

組み替えた甲斐がありました。

 

後はサーキットでの制動でどれくらいかですね。

熱が入ってきてレバーをフルストロークさせるところまで握ることになるかどうか。春になったら試してみます。

 

おまけ:

現行MT-10SPもブレンボのフルラジポンを使っているようです。こちらはφ16mmっぽいので、サイズダウンさせずにラジポンが欲しい方は、こちらを調査するのもいいかと。

 

2023.07.18追記

実際にサーキットで使ってみた様子はこちら↓

梅雨明け?の岡山国際サーキット - たらのブログ (hatenablog.com)